愛は惜しみなく与う【番外編】
すると案外すんなりと受け止められる。


『わかった!ほなクリスマスに帰るわ!ちょっと早まった!やった!』


素直にそう喜んでいた。


ちゃんとクリスマスに会えたらしいから。


我ながら気を使ってみた。息子に。あいつにも世話になったから。


だから付き合えたのかと聞いてみれば…


睨まれた



その反応はまさか


「振られたのか?」


少し笑ってしまったのがバレたのか、さらに睨んで黙れとすごんでくる。

なるほど。自分の息子だよ。睨み方が俺に良く似てる。


「嬢ちゃんが帰ってから2ヶ月くらい経ってるだろ」

「経ってるからなんだよ。最近避けられてんだよ!言わせんな」


ふん
とイライラした様子の息子

避けられている?


なんでだろう


俺の前で、泉の話をする嬢ちゃんは、すごく幸せそうな顔をしていたのに。


「知らねーよ。また……どこかに行っちまうのかと思って、こっちはこの数ヶ月、イライラしてんだよ!」


ガンとベッドの隣のサイドテーブルを蹴る泉。足が癖が悪いのもよく似てしまった。

イライラして何かに当たるところも。


そしてイライラの吐き出し方が下手くそなところも。
< 7 / 645 >

この作品をシェア

pagetop