愛は惜しみなく与う【番外編】
「キスすんのも手繋ぐのも、喧嘩するんも、ギュッてすんのも、あたしとだけがいい」
杏ってこんな可愛いことを素で言う子なんだ。計算もなにもない。
きっと素直に気持ちを伝えてくれている
勝手に淡白な付き合いになると思ってた。杏は変わらないのかなって思ってた。
友達の延長みたいな…そんな付き合いになると思ってた。
でもこれはこれで、ちょっと……俺の心臓が持たない。
キスだって杏だからしたいんだ。
触れたいのも杏だけ。
もう一度ちゃんと告白をし直したくせに、最後に結婚しようとまた言った。
だってしたいもん
俺の告白を笑顔で聞いてくれていた杏は、言った
「とりあえず彼女になる。ほんで、いずれ結婚しよ」
よろしく
そう手を差し出した
まじで誰か動画撮っておいてくれないかな。この可愛すぎる杏を何度も見たい
いや、
これから側で、ずっと見れるのか
差し出された杏の手
その手を引っ張れば腕の中に飛び込んでくる杏
どうしようか。キスしたいけど、したら止まらない自信がある。
杏は俺に流されてたけど、そーゆうのは初めのはずだ。
怖がらせたり、嫌な思いをさせたりしたくないから、どれくらい慎重にいけばいいのか分からない。
手は…繋いでいいよな
抱きしめている左手を下ろして、杏の手に絡める。
素直に手を握ってくれる