【完結】エリートな彼と女子大生の年の差恋愛婚〈番外編追加〉
プルルルル……プルルルル……。
何回かのコールの後、「はい」という声が聞こえた。
それだけでもう、わたしは彼とのあの日の夜を思い出した。
「……もしもし??」
「あ、あの……。わたしっ……」
なんだか緊張してしまって、うまく声が出せない。
「―――やっぱり、あの時の君か??」
「へっ……!?」
まさかそう言われると思ってなくて、声が裏返ってしまった。
「やっぱり、そうなんだね??」
「は、はい。……あのわたし、麻生実来と言います」
「実来……。君は、そういう名前なんだね」
そういえばわたしたちは、お互いの名前なんて知らないまま、あの日ホテルで何度も身体を重ね合ったんだった……。
「……はい。そうです。まだ、自己紹介、してなかったですね」