小さな勇気
私がこの学校生活で、特別嫌いな時間は休み時間だ。

友達がいない私は、休み時間のたびに孤独を感じてしまう。


昼休みは最悪だ。

お昼ごはんは、各教室で食べることになっているが、席は自由。

ただし、床で食べてはいけない。

クラスメイトは、友達同士集まって、近くの机をくっつけている。


私は、というと。

お弁当箱を抱えたまま突っ立っている。

私の席は、他のクラスメイトに貸してしまった。

お人好しというより、ただの馬鹿。

クラスの人数分しかない席なのに、私が自分の席を誰かに差し出してしまったら、自分がお弁当を食べる席がなくなる。

空いているひとつの席を探すことが、昼休みの最大の試練。


正直、辛い。

居ても居なくてもかまわない存在は、『苦しい』なんて言葉じゃ表せない。

自分の居場所はないんだな、と実感してしまうから。

席を確保することに気持ちが疲れてしまう。


なにが『昼休み』なんだろう。

ちっとも休めていない。


私も『一緒に食べていい?』と、声をかけることが出来たらラクだとは思う。

だけど、それが出来ていたら、こんなに苦労はしていない。
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