HEAVEN's Door
「あたし、睦海っていう名前。
あなたは?」



「…巧」



…タクミ?



「あたしの本当のパパと同じ『タクミ』だあ」

思わず言ってしまった。

「はあ?何それ?」

あまりに唐突なんで笑い出す巧くん。

「あたしの本当のパパはもういないの。
そのパパの名前が『拓海』だったから、読み方が一緒なんだ〜って」

巧くんはふーん、と言ってその場に座りこんだ。

そして、あたしも隣に座るようにジェスチャーする。

でも、誰かに見られて誤解されると嫌だから悩んでいると

「誰も来ないから安心しなよ」



まるで。

あたしは見透かされているみたい。
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