HEAVEN's Door
「おはよう…」

巧くんはもう、来ていた。

見ると…2stバイクが隣に。

しかもかなり前の年式にも関わらず車体が綺麗で、これには驚いた。



「睦海のそれ、XJR?」

巧くんが首を傾げる。

「うん、生産終了の最後の分をパパが押さえてくれてたの」

あたしが16になったら渡そうと、ずっとお店の端っこに保管されていたバイクだった。

「…生産終了?」

巧くんは更に首を傾げる。

「そんな話、あったかなあ?
しかもこのバイク、何だか僕の知っているものよりはデザインが洗練されているけど、改造しているのかな?」

巧くんはあたしをじっと見つめる。

「改造なんてしてない、ノーマルだよ」



…話が噛み合わない。

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