HEAVEN's Door
「…やっぱり、あたしのパパ?」

目の前にいる拓海くんは普通の高校生。

だけど…



「僕、こんなデカイ子供、作った覚えはないし」

そりゃ、そうよね〜。

そんな訳、あるはずがない。



「でも…睦海の世界では真由ちゃんはそーちゃんと結婚するんだね?」

凄く寂しそうにあたしを見つめる。

この世でパパの事をそーちゃんと呼ぶのは。

ごくごく親しい人だけ。



「うん、本当のパパは高3の12月25日の朝に亡くなったから」

「……そう」

拓海くんは目を伏せた。

「じゃあ僕に残された時間はもう僅かしかないね」



胸を引き裂かれた気がした。
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