HEAVEN's Door
「…何、泣きそうになってんの?」

拓海くんはあたしの額を突いた。

あたしは目に留まっていた涙を拭く。

「僕はいつもバイクに乗る時、覚悟して乗ってるから。
…いつ死んでも悔いのないように」

拓海くんは淡々と言ってのける。

「…僕に聞きたい事、あるんじゃないの?」



やっぱり、あたし、見透かされている気がする。
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