HEAVEN's Door
「それ以来、真由ちゃんは僕の後ろに乗ってくれないんだ」



…あっ。

それって…?



「まさか、クリスマスイブに乗せるんじゃないでしょうね?」

拓海くんは一瞬、キョトン、としたけど

「さあ、わかんない」

首を傾げていた。

「お願い、クリスマスにはバイクを乗らないで!」

あたしはギュッ、と手を握りしめる。

拓海くんはちらっとあたしを見つめてからすぐにまっすぐに向いて歩いている。



しばらく無言のまま、歩き続けた。
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