HEAVEN's Door
「最初、見た時はお転婆な女の子だなあって思ったけど…
君は僕の知らない未来の話をいっぱいしてくれた…
みんなが幸せそうに生きている事がわかってそれだけで幸せだよ」



抱きしめる腕に力が込められた。

この温かい身体のぬくもり。

きっと、あたしは忘れない…



「睦海が天使みたいな子で良かった。
僕が見れないだろう未来を。
君はしっかりと見つめて欲しい。
僕が叶えられなかった事を。
睦海が叶えていって欲しい。
…僕は常に君を見守っているから」

そんな事を。

そんな事、言わないでよ!

「お願いだから、クリスマスにバイクは乗らないで?」

拓海くんは黙ったまま、あたしを抱きしめて。

額にキスをした。
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