HEAVEN's Door
7.最後のプレゼント
ママはかなり取り乱したけど、ようやく立ち直り、必死に涙を拭いていた。



「睦海…」

パパがあたしの手元にある本を指差す。

「それ、懐かしい本だね」

「拓海くんがこの本に手紙を挟んで学校の図書館に隠したの」

「ふーん…」

パパは手を差し出して本を受け取る。

「…あっ」

ページをパラパラめくっていると中から数枚、写真が出てきた。

「これは…」

パパはそれを拾い上げてあたしに渡す。



「拓海の、形見だよ」

そこにはサーキットを走る拓海くんの写真。

更にGP125シリーズチャンピオンの表彰台での写真。
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