男装で青春してますっ!



僕は驚いたよ

だって、その女性はすっごい美人だったからね

どうやって捕まえたんだよって笑いかけたかったな


でも、両親は嫌そうだった

これでもかってくらい、嫌そうな表情が顔に出てたよ

しかも第一声が「何の用だ?」だったから

普通、おかえりって声をかけるんだけど、

両親と哲の間には、もう家族なんて絆はなかったんだろうね

本当に、親子の対面には見えなかったよ

冷たい空気が流れてたね


「何って…俺、この子と結婚することになったんだ」


哲は、だいぶ大人になったのか

結構明るい空気を保とうとしていた


でも、することになった

過去形だった

もう、結婚することは決めてたんだ

結婚してもいいか?ていうのは一切なかった


結婚します。

その報告だったんだよ


哲にとっても、両親はもうその程度だったんだ


哲の言葉に、女性も笑顔で

「藤堂春子です。この度は、哲さんと結婚させていただくことになりました。よろしくお願いします」

て、お辞儀をしたよ


その女性の笑顔に、両親は一瞬にこやかになったな

でも、すぐに険しい顔になった

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