お空へ、お見送り

「ママ、ちょっとこわいけれど裏庭にまわってみるわ」



そう言って、ママは玄関で靴を履いて外へ出た。


そのあと、わたしとお姉ちゃんと弟でムーを探したけれど、首輪の鈴の音も聞こえなかった。


少ししてから、ママは戻ってきたけれどタオルを抱えて何も言わないでまた出て行った。



そして、またママは帰ってきた。

お姉ちゃんと弟と一緒に飛んでいくと、そこにはタオルにくるまったムーが、ママに抱かれていた。



「ムー……!」



「ムー、ベランダから裏庭の方へ落ちちゃったみたいなのよ……」



ムーを見ると、目は少しだけ開いていたけれど口の周りは血だらけだった。


ムーの体はピクリとも動かない。
触ってみると、冷たくて、かたかった。




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