お空へ、お見送り

その夜、わたしはベッドにいるはずだったのに、起きてみたら違うところにいた。



「うーん……」



ここ、どこなんだろう。
お花がいっぱい咲いていて、見上げるときれいな水色の空。



「ニャー!」



え?
猫?


見てみると、そこには!



「ムー!」



ムーがいた。
でも、なんでムーがわたしと一緒なんだろう?


ムーとは、もう一緒にいられないのに。


1日だけ帰ってきてくれたのかな?



「ニャー!」



あれ、今、なんだか違って聞こえた。
ふつうの猫と変わらない、鳴き方のはずなのに。


でも、どこか違う。
だって、涙が止まらないんだもん。


そうか、ムーは最後にもう一度わたしに姿を見せてくれたんだね。



「ムー、だいすきだよ! 心のなかで、ずっとだっこしてるからね!」




< 8 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop