お空へ、お見送り
その夜、わたしはベッドにいるはずだったのに、起きてみたら違うところにいた。
「うーん……」
ここ、どこなんだろう。
お花がいっぱい咲いていて、見上げるときれいな水色の空。
「ニャー!」
え?
猫?
見てみると、そこには!
「ムー!」
ムーがいた。
でも、なんでムーがわたしと一緒なんだろう?
ムーとは、もう一緒にいられないのに。
1日だけ帰ってきてくれたのかな?
「ニャー!」
あれ、今、なんだか違って聞こえた。
ふつうの猫と変わらない、鳴き方のはずなのに。
でも、どこか違う。
だって、涙が止まらないんだもん。
そうか、ムーは最後にもう一度わたしに姿を見せてくれたんだね。
「ムー、だいすきだよ! 心のなかで、ずっとだっこしてるからね!」