パトリツィア・ホテル
「パトリツィア・ホテル……」
私、そのホテル……行ったことある。
幼稚園くらいの頃に行って、初めてのふっかふかのベッドに感動した。
うちでいつも寝ていた、冷んやりと固い布団とは大違いで、横たわったらいつの間にか眠りについて……
確か次の日、附設のテーマパーク『パトリツィア・ランド』にお父さんとお母さんと行ったんだ。
そして確か、そこで大きな事件が……
「さーき! 何、ボーっとしてるの?」
朱里の声で現実に引き戻された。
「まぁ、校長の話だもんね。無理もないか」
朱里はそう言って、苦笑いした。
体育館での入学式。
流石はマンモス校だけあって、体育館も東京ドームかと思うくらいに大きくて。
現実に戻ってきた私は、校長先生が長ったらしい挨拶をしている間も、その広大な空間にただただ圧倒されていた。
「……この彩林館高等学校で、是非とも実りある、輝かしい高校生活を送って下さい」
校長先生が締めの言葉を言って深々とお辞儀し、演壇から降りた。
その時だった。
「えっ、うそ!」
「すごい! 新宮君だ!!」
体育館の所々から黄色い歓声が上がった。
私はその歓声につられて前を見た。
私、そのホテル……行ったことある。
幼稚園くらいの頃に行って、初めてのふっかふかのベッドに感動した。
うちでいつも寝ていた、冷んやりと固い布団とは大違いで、横たわったらいつの間にか眠りについて……
確か次の日、附設のテーマパーク『パトリツィア・ランド』にお父さんとお母さんと行ったんだ。
そして確か、そこで大きな事件が……
「さーき! 何、ボーっとしてるの?」
朱里の声で現実に引き戻された。
「まぁ、校長の話だもんね。無理もないか」
朱里はそう言って、苦笑いした。
体育館での入学式。
流石はマンモス校だけあって、体育館も東京ドームかと思うくらいに大きくて。
現実に戻ってきた私は、校長先生が長ったらしい挨拶をしている間も、その広大な空間にただただ圧倒されていた。
「……この彩林館高等学校で、是非とも実りある、輝かしい高校生活を送って下さい」
校長先生が締めの言葉を言って深々とお辞儀し、演壇から降りた。
その時だった。
「えっ、うそ!」
「すごい! 新宮君だ!!」
体育館の所々から黄色い歓声が上がった。
私はその歓声につられて前を見た。