カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
「……え、あの?」
あまりに納得がいかず、口をとがらせた。私ばかり先へ進もうとしているみたいで恥ずかしくなるが、彼だって瞳に火が灯り、情熱的になっている。
どうして、ここで止めちゃうの?
「午後からどこか出掛けようか。買いたいものとかあるだろう?」
「あ、はい。まあ……」
ソファから立ち上がる彼を目で追い、私も同じく腰を上げる。
映画はエンディングが流れており、彼がリモコンでブツンと消した。
すぐに深い関係になろうとしないのは、私を大切にしてくれている、という意味なのだろうか。昨日はグッと近づいたと思ったんだけど。
……あと二週間あるから、もう少し、待っていればいいのかな。