カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
ケロッと白状する近藤さんを前に、俺は開いた口が塞がらなかった。
近藤さん、それじゃあきみが犯人じゃないか。口止めをして、黙っていてもらえると信用していたのに。
「なぜ弟に話したんだ! 誰にも言うなとあれほどお願いしていたじゃないか!」
「え? 隼世さんから口止めをされていたのは星野様を〝妊娠させたこと〟ですよね。〝妊娠させていなかったこと〟は口止めされていませんでしたのでお話ししたんですよ」
ああもう!
融通の利かない近藤さんに頭を抱えて発狂したくなったが、全身全霊でその衝動を抑え込む。泣いたって喚いたってしかたがない。もう過ぎたことだ。それに、事実である以上、悪いのはすべて俺。
なるほど、あのお節介な斗真が近藤さんからこの状況を聞きつけ、菜々花さんになにかしらのコンタクトを取ったというわけか。
彼女は変なことを吹き込まれたせいで、あんなに取り乱していたのだろう。やっぱりちゃんと話し合わなければダメだ。