カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~


◆ ◆ ◆

「あらあらエリアマネージャーが秘書さん連れてるなんて、なんだかエッチですねぇ」

視察のために訪問した店舗の女性スタッフが、フフフと手を口にあてながら斗真さんを小突く。斗真さんも意味ありげに「でしょう?」と応え、ノリノリの様子だ。

私をエッチな秘書にするのはやめてもらいたいが、スタッフの層が総務部と同じで楽しい話が大好きな奥様方のため、調子を合わせて私もフフフと笑ってやり過ごす。

午前中は二店舗の視察、移動中の車でコンビニのサンドイッチを頬張り、午後一番でエリア会議、それが終われば新店舗の打ち合わせをこなし、やっと支社へ戻ってきた。

外は薄暗く、すでに夕方になっている。連れ回すのもそうだが彼は意外と私にあれやれこれやれと指示を出してきて、とても初日とは思えない酷使ぶり。

私はマネージャー室のデスクで歩き疲れた足を休めながら、彼が報告書を作成している間に今日学んだことをマニュアルに書き加えていく。
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