カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
初日の業務を終えてホテルに戻ると、私は夕食をルームサービスで済ませ、簡単にシャワーを浴びてベッドに横になった。
枕元にスマホを持ってくるが、なんの知らせも表示されていない。それもそのはず、私は隼世さんからのメッセージを拒否設定にしているからだ。
上司をブロックするなんて許されないとわかっているが、土日、私は胸が張り裂けそうになりながら彼からの連絡を待っていたのだ。
妊娠していなかった私のことなどもう興味はない、引き留める理由はないと判断されたはずなのに、連絡がつく環境にある限り、私は心のどこかで隼世さんからの連絡を待ち続けてしまう。
それが苦しくて、切なくてどうにかなりそうなのだ。
仕事上の連絡なら社内メールで充分だろう。私用のやりとりで使うことは規則で禁止されており、定期的にチェックも入るため、そちらからはなんの連絡も来ないはず。
こうして遮断した環境で、ゆっくりと時間をかけて回復していくしかないのだろう。