カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

続いて超音波検査で撮った白黒の画像をPCで見せられ、うっすらと丸く写った部分をカーソルでくるくると示される。

「超音波で見た限りは、中身は皮膚や髪の毛などの良性腫瘍かと思われます」

皮膚……髪の毛……?
写っている卵巣の中にミニチュアの私がいる変なイメージを浮かべながら、とりあえず「なるほど」とつぶやく。

「しかし絶対ではありませんので、悪性かどうかは手術をして病理検査を受けることで確定します」

「ん?」と止まる。不穏な単語が聞こえた気がした。

「……悪性ってどういうことですか?」

「いくつか種類はありますが、悪性というと一般的に、卵巣ガンということになりますね」

「ガン!?」

目をぱちくりさせて、PC画面から先生へ目を移す。今、涼しい顔でガンと言った。私はガンの可能性があるってことだろうか。

先生の表情を観察し、どれくらい深刻な話をされているのかを測ろうとするのだが、マスクの下がどうなっているのかさっぱりわからない。
ただ淡々と告げられただけだ。

「悪性だった場合は摘出手術をし、予後を見てガン治療が必要ですが、でもこの病気の九割は良性です。腫瘍マーカーやMRIの結果を見て、手術をしないという選択もできます」

でも、一割は違うんでしょう……?
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