カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
そして時間になると騒がしく大群で押し寄せてくるのが、俺の苦手なここの女性たち。
「隼世課長ぉ、おはようございまーす」
廊下にめいっぱい広がって大奥のようにやってきた二十人ほどの女性たちは、オフィスの入口にみちみちと密集し、小出しで中へ入ってくる。
彼女たちの年齢は三十代から六十代までさまざまで、性格もバラエティに富んでいる。
「お、おはようございます……」
挨拶を返すと、さっそく先頭を歩いていた四十代の女性パートタイマー、佐藤さんが俺の席へ近づいてくる。