身代わり依頼は死人 桜門へ ~死人の終わらない恋~




 生まれ変わる。
 そんな言葉を海里は初めて聞いた。
 けれど、それならば初芽ともまた会えるのだろうか。死んで生まれ変わるならば、彼女とも会えるのか。
 そう思って、気づく。
 自分は取引で死人のまま身代わりとして過ごしていくと選んだ事を。


 「まっ……俺はどうすれば生まれ変わるの…………?」
 「また、他の人に仕事を任せればいいんじゃないかしら?それか、100回ぐらい身代わりの仕事をこなせば、任も解かれるかもしれないわね」


 クスクスと踊るように上機嫌で話す桜姫。
 もう気分は死人としてこの世から消えることしか考えられないようだった。
 海里は咳き込みながらも、どうにか頭を働かせて、彼女と話そうとした。


 「さぁ。お話はこれでおしまい。あなたは身代わり依頼の死人になるのよ」
 「まって………」
 「名前はそうね……。あなたがいる場所は城の門の近くに居るから「桜門」という死人の名前をあげましょう。桜の木もあるしピッタリね。その桜の木と一緒に体は燃やしてあげる」
 「………桜門………」
 「そうよ。あ、そうだわ!このお金を必要ないし、あなたにあげるわ。何か最後にして欲しいことはある?」



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