今夜、この恋が壊れたら、
彼は知ってたよ、と言ってくれたけれど、言わなければ伝わらない想いは数え切れないほどあった。

そのうち彼が言ってくれるかもしれない、と勝手な期待をして、私は何もせずに適当な日々を過ごすだけだった。


時間は永遠じゃないのに、ずっとなんて有り得ないのに、私はいつも甘えていた。




「はあ〜俺たちもっとはやく伝えられたらよかったのになあ〜」
「、……ね」

「バカだな〜時間めちゃくちゃ無駄にしたじゃん」
「ごめん」



咄嗟に出た言葉は軽くて、こんな言葉しか吐けない私の顔を見て、「なんで謝るんだよ」って小さくわらっていた。

私は困らせたかったわけじゃないし、切なそうな顔をしてほしかったわけでもないし、欲を言うならずっと、これからもわらっていたいと思う。



それでも現実は私の思い通りにいかない。





「ごめん、本当にごめんね」
「お前は悪くないよ」
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