今夜、この恋が壊れたら、

私なんか比べ物にならないくらい可愛い女の子が近くにいて、私はいつも嫉妬していた。

ちょっと不機嫌になって、彼に「話さないほうがいい？」って言われると「別に気にしてない」って言い返していた。


気にしてないふりをして良い彼女になりたかったし、いま思えば防御線だったのかもしれない。

振られる日が来ても悲しくないように自ら遠ざけようとしていたのかもしれない。




「でもね……本当は私の気持ちに気づいて、優先してほしいってわがままなこと思って、た」


ぜんぶ吐き出したとき、肩の荷が降りた気がした。ずっとこれを言いたかったけれど、私は言えなかった。

めんどくさかったんじゃなくて、こわくて、本音を言ったらいつか離れてしまうんじゃないかって思ったから言えなかった。


防御線を張って強くいたのに、私はぜんぜん強くない。





「っていま言われても困るよね」