今夜、この恋が壊れたら、
「小学生のとき、明日地球が壊滅するとしたら何をする?みたいな質問なかったっけ?」
「あったね、確か」



あの頃はあくまで"もしも話"だったし、まさか10数年後現実になる、なんて思いもしなかったから、私は適当に答えていた。

美味しいものを食べまくるとか、ほしいものを全部買うとか、家族と過ごすとか、ゲームをするとか、私だけじゃなくて、みんな適当だった。




「あのとき、家族と過ごすって書いたな、私」
「過ごしてないじゃん。俺は大切な人と過ごすって書いた」

「自分も過ごしてないじゃん」
「過ごしてるよ、俺は」




「いまから家に帰れば?」と笑ってくる彼に「5分で帰れないから、ひとりで消えることになるでしょ」と強く言って、睨む。

「最後の瞬間、俺でいいのかよ」と言いながら寝転んだ彼に合わせて、私も寝転んで、目の前にある青空を見る。
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