今夜、この恋が壊れたら、
「地球が壊滅したら、俺たち確実に死ぬよなあ。どうやって壊れるのかもわかんないけどさ」
「……うん、みんな死ぬね」

「いまから火星とか木星とか、金星とかに逃げれられねえかな」



あと3分で消えてしまうのに、彼は呑気に冗談を言う。あと3分で死んでしまうのに、あとすこしで離れてしまうのに、流れる雰囲気はいつもと変わらない。

いつもと変わらない雰囲気が今日は嫌だったし、このままでいいわけがないし、このまま終わるまで待つわけにはいかない。




「逃げたいね、ふたりで」

逃げられないってわかってたし、彼もわかってるけれど、「だなあ」と言って、繋いだ手に力を込めた。



「離れたくないな、っていま強く思うんだよな」
「……うん」

「俺たちいつからこーなったんだろ」
「わかんない」
< 7 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop