今夜、この恋が壊れたら、
とぼけたわけでもないし、考えたくなかったわけでもなくて、本当にわからなかった。どうして、こうなってしまったのか、どうして私がこうなってしまったのかわからなかった。



「ごめんな、ずっと」
「謝んないでよ、」



謝らなきゃいけないのは私のほうだった。いつからなのか、どうしてなのか、私もわからないけれど、そういうときに向き合えていたらこうはならなかったと思う。

気持ちがすれ違ったとき、何か違うなって思ったとき、ちゃんと言葉にすればよかったと今更思う。




どうしていまなのだろう、どうして最後に気がついてしまうのだろう。

彼の隣は居心地がいいことに、ずっと気まずくてもすこし話すと元通りになることに、どうしてもっとはやく気がつけなかったのだろう。




私たちは変わってしまったと思っていて、たしかに変わってしまったけれど、変わらないものもあった。

それはちゃんと、すきだということ、あの日から、ずっとすきだということ、だった。
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