今夜、この恋が壊れたら、
「私のことすきだった?」
「当たり前だろ。あんなに気まずかったのに、別れられねーんだもん」



距離が離れたふたりでも、ちっとも別れたいなんて思わなくて、それをめんどくさいからって決めつけていたけれど、そんなわけない。

この中途半端な関係を続けるほうがずっとめんどくさかったはずなのに、私も別れられなかった。


"別れたい"よりも"一緒にいたい"が強くて、
"離したい"よりも"話したい"が強かった。




「私も……あの、なんていうか……別れたいって思わなかった……よ?」


私が言うと、彼はふっと笑って、私の髪の毛をぐしゃぐしゃにしてきた。「おっそー」と言いながら笑ってる彼を軽く睨みつける。




「でも、知ってたよ」
「ほんとに?」

「ほんとうに」
「……そっか」



言われなきゃわからないように、言わなきゃ伝わらないものはたくさんたくさんある。
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