また君を好きになった私を許してください
上手くいかない

自分磨き

春の訪れを桃色の花びらと鳥の鳴き声が伝えている。

朝、心地よい陽の光にあたりながら目を覚ます。

私は坂本 結衣(さかもと ゆい)

今まで感じたことのない新鮮な気持ちに包まれている。

なぜなら、私は今年の春高校1年生になったから。

そして今日は入学式。

入学式の緊張ともう一つ違う緊張で私の心はドキドキとしている。

もう一つのドキドキは

──先輩にまた会えること──

私は大好きな先輩のいる東佐久原高校(ひがしさくはらこうこう)を受験して見事受かることが出来た。

「これから2年間高岡先輩と過ごせるの幸せだな~」

高岡 大輝先輩は私の大好きな先輩。

私が高岡先輩を好きになったのは確か1年ほど前

私が高岡先輩にいたずらをしたことがきっかけだった。


━━1年前━━

「暇だな…何か面白いことないかな?」

私がそう言いながら廊下を歩いていると高岡先輩が30メートル先ぐらいにいてこちらに近づいてきていた。

その時私のいたずら心が騒いだ。

近くの物陰に隠れて高岡先輩が来る瞬間を待った。


高岡先輩の声が近くなってきて勢いよく「わあ!」と物陰から飛び出て驚かせた。

「うわあああ!!あぁ…びっくりした、なんだ坂本か」

その時高岡先輩は優しくそして可愛らしく、そして男らしさも混じった顔で笑ってくれた。

その素敵な顔に私は一目惚れした。

その時からずっと高岡先輩を目で追ってしまっていた。

目が合うといつもニコって笑いかけて手を振ってくれる。その度に好きっていう気持ちが高まってしまう。


高岡先輩が中学を卒業してしまったとき私は大泣きしてしまった。

その時に親友から「高岡先輩と同じ高校に行けばまた一緒に過ごせるんじゃない?」という言葉をかけてもらって私は高岡先輩が行く東佐久原高校を受験することにした。

そして今に至る。

━━━━━━━━━━━━━━━

「高岡先輩また笑いかけてくれるかな…?」

私は高鳴る心臓の音を聞きながら準備していた。

その時携帯がなった。

プルルルルル

電話だ!誰からだろ?

「もしもし」

『もっしもーし!結衣!今日入学式だね!結衣とまた同じ学校に行けるの嬉しい』

電話の相手は親友の佳奈だった。

佳奈は私が東佐久原高校に行こうと思う前から東佐久原高校を志望していた。

つまりまた3年間一緒に過ごせる。

「だね!また3年間よろしくね、親友ちゃん」

『こちらこそ!親友ちゃん』

私たちは時間ギリギリまでなんの部活に入るか、彼氏できるか、高岡先輩について話した。
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