また君を好きになった私を許してください
「入学式お疲れ様でした。ということで初めてのHRを始めます」
私たちは無事に入学式を終えて高校生活最初のHRが始まった。
私と佳奈と裕太の3人は同じクラスになった。
教室に入ると早速裕太の周りには女子が群がっていた。
佳奈にも男子が群がっていたけど佳奈は彼氏いるからと言って男子達を退けて席に座っていた。
やっぱり2人は何かが違うんだよな。
HR最初は一人一人自己紹介。
名前、出身中学校、得意なこと、苦手なことを1人ずつ言うことになった。
私は自己紹介はそんなに得意ではない。
出来れば名前言うだけで終わらせたいんだけどな。
「初めまして、岡田 裕太です。出身中学校は……」
裕太は自己紹介が得意みたいでハキハキと笑顔で自己紹介をしている。
私もあんなふうに出来たらなぁ~
「じゃあ次は…坂本さん。自己紹介お願いします」
「あっはい」
私は緊張して飛び出そうな心臓を落ち着かせて自己紹介するために深呼吸をした。
「は、初めまして!坂本 結衣です。出身中学校は……」
私は思っていたよりも自己紹介が上手くできた。
良かったぁ…
第一印象が大事だって言うもんね!
「結衣、意外と上手くできたじゃん」
「でしょ?自己評価100点あげたいぐらい上手くできた」
「うんうん!文句無しの100点だね」
「じゃあ次は白金さん」
次は佳奈の番。
佳奈が自己紹介をするために前に行くと男子たちが「かなちゃーん」「いいよー」とか何がしたいのか分からないことを言っていた。
「白金 佳奈です……」
佳奈の自己紹介が終わると男子たちは女の子みたいにキャーキャー言ったり、拍手の音が多かったり…
男子のノリについていけなくてこのクラスでやっていけるのか不安になってきた。
「佳奈…相変わらずモテモテだね」
「私がモテモテ?それは夢だ」
佳奈はないないと顔を横に振っていた。
佳奈は超がつくほど鈍感。
告白されるまで分かりやすい好意にも気づかない。
いや、告白されても気づかない時がある…
「ははっ……いつか分かるよ」
自己紹介は意外と早く終わった。
HRは順調に進んでいた。
(高岡先輩に早く会いたいな~)
私はHR中ずっと高岡先輩のことを考えていた。