政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~
もちろん結婚する前も敬一と美香がいてくれて幸せだった。でも弦さんは、女性として、そして家族として愛される幸せを教えてくれた人。
彼のおかげでお義父さんとお義母さんの愛情に触れ、血が繋がっていなくても、本当の娘のように接してくれたことがどんなに嬉しかったか。
だから私は弦さんに愛されなくてもいい、家族になりたいと思ったんだ。
でも今は違う。彼に心から愛されたい。気持ちを通い合わせ、この子を迎え入れたいよ。
弦さんに対する想いが溢れて止まらず、スマホを手にする。
ずっと連絡を取ることができなかったし、電話で言うつもりはないけれど、一言だけでもいい。声が聞きたい。
時刻は二十二時過ぎ。向こうは昼の十時前くらいだろうか。……仕事が始まっているかどうかの時間帯だ。
仕事の邪魔はしたくないけど、でも、もしまだ始業前だったら……。
恐る恐る連絡先をタップして発信ボタンを押した。
三コール以内に出なかったら切ろう。
心臓をバクバクさせて耳を傾ける。そして一コール目が終わり、二コール目に入ろうとした時。
『もしもし』
耳に届いたのは、久しぶりに聞く弦さんの声だった。
『もしもし、未来?』
優しい声色に、涙が零れ落ちた。
どうして声を聞いただけで泣いちゃうんだろう。それほど彼が好きってこと? だけど、ずっと聞きたかった。話したかった。……弦さんと。
『どうした? 未来。なにかあったのか?』
「弦さん、早く会いたいです」
心配そうに聞く彼に想いが込み上がり、素直な想いが口をついて出た。
彼のおかげでお義父さんとお義母さんの愛情に触れ、血が繋がっていなくても、本当の娘のように接してくれたことがどんなに嬉しかったか。
だから私は弦さんに愛されなくてもいい、家族になりたいと思ったんだ。
でも今は違う。彼に心から愛されたい。気持ちを通い合わせ、この子を迎え入れたいよ。
弦さんに対する想いが溢れて止まらず、スマホを手にする。
ずっと連絡を取ることができなかったし、電話で言うつもりはないけれど、一言だけでもいい。声が聞きたい。
時刻は二十二時過ぎ。向こうは昼の十時前くらいだろうか。……仕事が始まっているかどうかの時間帯だ。
仕事の邪魔はしたくないけど、でも、もしまだ始業前だったら……。
恐る恐る連絡先をタップして発信ボタンを押した。
三コール以内に出なかったら切ろう。
心臓をバクバクさせて耳を傾ける。そして一コール目が終わり、二コール目に入ろうとした時。
『もしもし』
耳に届いたのは、久しぶりに聞く弦さんの声だった。
『もしもし、未来?』
優しい声色に、涙が零れ落ちた。
どうして声を聞いただけで泣いちゃうんだろう。それほど彼が好きってこと? だけど、ずっと聞きたかった。話したかった。……弦さんと。
『どうした? 未来。なにかあったのか?』
「弦さん、早く会いたいです」
心配そうに聞く彼に想いが込み上がり、素直な想いが口をついて出た。