政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~
『言葉にしないと伝わらない想い 弦SIDE』
ニューヨークに来て、そろそろ一週間が経とうとしていた。
竹山が二週間の出張の間に予定を詰め込んでくれたおかげで、分刻みのスケジュールをこなしている。だけど今の俺にはこの忙しさがありがたい。
タクシーで移動中、助手席で仕事のスケジュールの確認をしている竹山を後部座席から眺めながら、何度も手に取り見てしまうのは自分のスマホ。
日本を発ってから一度も未来と連絡を取っていない。いつもだったら彼女の性格上、仕事の邪魔をしないようにと考え、連絡をしてこないだけと思えるが……。
頭をよぎるのは、出張に出る前の未来の様子。
明らかにおかしかった。避けられていたし、話をしていても目を合わせようとしない。
結婚して一度もこんなことはなかったから、どうしたらいいのかわからない。気づかないうちに彼女を不快に思わせるような言動をとってしまったのだろうか。
こうしてなにも連絡をしてこないのは俺に気遣ってではなく、ただ単に連絡したくないからでは?
スマホを見つめて頭を悩ませていると、「どうかされましたか?」と竹山に声をかけられた。
「いや、なんでもない」
すぐにスマホをしまうも、バッグミラー越しに目が合った竹山は疑っている。
竹山が二週間の出張の間に予定を詰め込んでくれたおかげで、分刻みのスケジュールをこなしている。だけど今の俺にはこの忙しさがありがたい。
タクシーで移動中、助手席で仕事のスケジュールの確認をしている竹山を後部座席から眺めながら、何度も手に取り見てしまうのは自分のスマホ。
日本を発ってから一度も未来と連絡を取っていない。いつもだったら彼女の性格上、仕事の邪魔をしないようにと考え、連絡をしてこないだけと思えるが……。
頭をよぎるのは、出張に出る前の未来の様子。
明らかにおかしかった。避けられていたし、話をしていても目を合わせようとしない。
結婚して一度もこんなことはなかったから、どうしたらいいのかわからない。気づかないうちに彼女を不快に思わせるような言動をとってしまったのだろうか。
こうしてなにも連絡をしてこないのは俺に気遣ってではなく、ただ単に連絡したくないからでは?
スマホを見つめて頭を悩ませていると、「どうかされましたか?」と竹山に声をかけられた。
「いや、なんでもない」
すぐにスマホをしまうも、バッグミラー越しに目が合った竹山は疑っている。