政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~
 ふたりで向かい合って座り、彼が作ってくれた朝食を頂く。

 弦さんは以前にも増して家で過ごす時間を多くなった。仕事で無理をさせていないか不安になり、何度か聞いたことがあるが、大丈夫の一点張り。

 身籠った私が心配で仕事が手につかず、家に持ち帰ってくることもしばしば。

 申し訳なく思ういっぽうで、愛されていると実感できて嬉しくもある。

 幸せを噛みしめながら食べていると、弦さんが思い出したように話し始めた。

「そうだ、今週末にしようか。うちの親に妊娠の報告に行くのは。未来の体調も落ち着いてきたし、こういうことは早いほうがいいだろう」

「そうですね」

 電話で報告をしようとも考えたが、やっぱり直接会って伝えようとふたりで決めた。

「じゃあ予定を確認しておく。……それで未来のご両親にはいつ報告しようか? なんなら電話でもいいし、俺が会って伝えてきてもいいが」

 そうだよね、お父さんとお母さんにも当然妊娠の報告をしなければならない。
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