政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~
 出かけようとするお義父さんとお義母さんを、弦さんは慌てて引きとめた。

「待ってくれ、今日はただ未来と遊びに来たわけではないんだ。ふたりに話したいことがあって」

「話したいこと?」

 そう言うと顔を見合わせたふたり。

「あぁ。未来が妊娠したんだ。そろそろ三ヵ月に入る」

 弦さんがそう言うと、お義父さんとお義母さんは大きく目を見開いた。

「妊娠って……本当なの? 未来ちゃん」

「はい」

 すぐに返事をすると、ふたりは再び顔を見合わせて満面の笑みを見せた。

「おめでとう、弦! 未来ちゃん! やだ、夢みたい。孫が生まれるなんて」

「これから大変だぞ、母さん! 孫のために色々揃えてやらんと」

「そうね、さっそく明日にでも百貨店へ行ってべビーグッズを買ってきましょう」

 私たちそっちのけで盛り上がるふたりに、私と弦さんは拍子抜け。だけど嬉しいな、こんなに喜んでくれるなんて。私の両親もこうだといいんだけど。

 弦さんが予定を聞いてくれて明日、実家を訪れることになっている。
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