政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~
「それにしても弦、どうしてこんなめでたい話をすぐにしてくれなかったんだ?」
「そうよ、話してくれていたら蕎麦屋じゃなくて、もっと素敵なお店を予約してお祝いできたのに。今からでも予約間に合うかしら」
抗議し始めたふたりに、弦さんはすぐさま言った。
「俺のせいにするな。話そうにも父さんと母さんが一方的に話しかけてくるから、切り出すタイミングがなかったんだ」
「それは仕方がないだろう。初めて未来さんが我が家に来てくれたんだ。話したいことは山ほどある」
「弦がなかなか未来ちゃんを連れてきてくれなかったせいよ」
「そうだ、お前が悪い」
「どうしてそうなるんだよ」
目の前で繰り広げられる親子喧嘩に唖然となる。
この前も思ったけど、本当に弦さんたち親子の仲は良い。羨ましくなるほどに。
だけど一方的に弦さんが悪いと責め立てられている状況が次第に可笑しくなり、我慢できず私は笑ってしまった。
「フフッ」と声を上げ、口元を抑えながら笑っていると言い争いをしていた三人は一斉に私を見た。
「そうよ、話してくれていたら蕎麦屋じゃなくて、もっと素敵なお店を予約してお祝いできたのに。今からでも予約間に合うかしら」
抗議し始めたふたりに、弦さんはすぐさま言った。
「俺のせいにするな。話そうにも父さんと母さんが一方的に話しかけてくるから、切り出すタイミングがなかったんだ」
「それは仕方がないだろう。初めて未来さんが我が家に来てくれたんだ。話したいことは山ほどある」
「弦がなかなか未来ちゃんを連れてきてくれなかったせいよ」
「そうだ、お前が悪い」
「どうしてそうなるんだよ」
目の前で繰り広げられる親子喧嘩に唖然となる。
この前も思ったけど、本当に弦さんたち親子の仲は良い。羨ましくなるほどに。
だけど一方的に弦さんが悪いと責め立てられている状況が次第に可笑しくなり、我慢できず私は笑ってしまった。
「フフッ」と声を上げ、口元を抑えながら笑っていると言い争いをしていた三人は一斉に私を見た。