政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~
「未来が安定期に入ったら、家を見に行ってみようか。父さんたちも呼んでバーベキューができるほど広い庭がいいな」

 本格的に家を買う気でいる弦さんにギョッとなる。

「え? 本当に買うんですか?」

「あぁ。ここに来たら欲しくなった」

 でも家って気軽に買えるほど安い買い物じゃないよね? 大丈夫なのかな?

 そんな心配をしていると、私の考えていることが伝わったのか、弦さんは苦笑い。

「言っておくが家を買うくらいの余裕はあるからな? 大丈夫、未来と生まれてくる子供には一生不自由な思いはさせない」

「……はい。すみません、変な心配をして」

 謝ると弦さんはクスクスと笑う。

「いや、心配してくれて嬉しいよ。……未来は金銭感覚がしっかりしているな。これまで出会ってきた社長令嬢たちとは違う」

 それはきっと、両親に遠慮して生きてきたからだと思う。欲しいものがあっても、買ってほしいと言えなかった。本当に必要なものしか買い与えられてこなかったし、お小遣いも友達より少なかったもの。
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