政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~
ゆっくりと起き上がり、頭を下げると感極まり、涙がポロッと零れ落ちた。それと同時にまた陣痛に襲われる。
「痛っ」
うずくまると、お母さんは震える声で言った。
「未来は本当にあなたの母親にそっくり。自分のことより他人のこと。誰かの幸せを願える真っ直ぐで素直な子なのね。……未来に言われなくても、生まれてくる子供は主人と敬一とは繋がりがあるんですもの。可愛がるに決まっているでしょうっ……!」
痛みに耐えながら顔を上げると、お母さんは泣いていた。
「だから無事に元気な子を生んでちょうだい」
「お母さん……」
初めてお母さんの泣いている姿を見て、涙を止める術を失う。
陣痛よりも胸が苦しくて痛い。
「泣き止みなさい。もうすぐ母親になるのだから」
「は、い」
だけどお母さんに涙を拭われたら、すぐには泣き止めそうにない。
その後も定期的に陣痛に襲われ、次第にその間隔は短くなっていく。そして十分間隔になると、ふたりに付き添ってもらい、待機させていたタクシーで病院へと向かった。
「痛っ」
うずくまると、お母さんは震える声で言った。
「未来は本当にあなたの母親にそっくり。自分のことより他人のこと。誰かの幸せを願える真っ直ぐで素直な子なのね。……未来に言われなくても、生まれてくる子供は主人と敬一とは繋がりがあるんですもの。可愛がるに決まっているでしょうっ……!」
痛みに耐えながら顔を上げると、お母さんは泣いていた。
「だから無事に元気な子を生んでちょうだい」
「お母さん……」
初めてお母さんの泣いている姿を見て、涙を止める術を失う。
陣痛よりも胸が苦しくて痛い。
「泣き止みなさい。もうすぐ母親になるのだから」
「は、い」
だけどお母さんに涙を拭われたら、すぐには泣き止めそうにない。
その後も定期的に陣痛に襲われ、次第にその間隔は短くなっていく。そして十分間隔になると、ふたりに付き添ってもらい、待機させていたタクシーで病院へと向かった。