政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~
 すると両親は安心した顔で私を見るものだから、なんだか気恥ずかしい。
 それからも両親はずっと付き添ってくれて、私をサポートしてくれた。

 交代しながら何時間も私の背中や腰を擦ってくれている。疲れたよね、それなのにずっと私の心配をしている。
 弦さんがいない今、どんなに心強いか。

「ありがとうございます。……お父さんとお母さんがいてくれて本当に良かったです」

 思ったことを口にすると、ふたりは顔を見合わせて柔らかい笑みを浮かべた。

「それはよかった。だが、感謝するのは私たちにではなく弦君にしてくれ」

「えっ? 弦さんにですか?」

 どういうことかわからなくて聞き返すと、お母さんが話してくれた。

「昨夜、弦さんから電話があったのよ。出張で家を留守にすることになり、みんな予定が入っていて未来のそばにいてやれないから、私たちにそばについていてほしいと」

「その前から度々家を訪れて、未来のことを教えてくれていたんだ。それと私たちの話も聞いてくれたんだ」

 嘘、弦さんが? そんなこと一度も言っていなかったのに。
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