政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~
 本当、美香は私にとって最強の味方だ。美香がいてくれてよかった。

「ありがとう、美香」

 この先なにが起こったとしても、美香がそばにいてくれたら乗り越えられるだろう。

「親友なんだから当たり前でしょ? いい? なにかあったら、すぐに私に言ってね」

「うん」

 私の返事を聞き、美香はそれ以上弦さんの話をすることはなかった。共通の友人や、美香の仕事の話を聞きながら久しぶりにふたりで楽しい時間を過ごした。



「楽しかったね。また会おう」

「うん」

 アフタヌーンティーをたっぷりと堪能し、お会計へと向かうも、すでに弦さんが支払いを済ませていて美香と驚く。

「ありがとうございました」

 店員に見送られてラウンジを出たところで、美香がすぐさま言った。

「もう弦さん、スマートすぎ! なに? 予約だけじゃなくて支払いも済ませてくれていたなんて」

「弦さん、そんなこと一言も言っていなかったのに……」

 ただ『楽しんでくるといい』と言っていただけ。

 すると美香はニヤニヤしながら私の身体を肘で突いた。
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