政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~
街中を彷徨っている犬は保健所に連れていかれ、引き取り先が見つからないと殺処分されると。
今は保護活動が盛んになり、その数はだいぶ減ってきているようだが、まだ現実に何頭もの犬や猫が処分されている。
動物だって命ある生き物だ。人間の手によって殺されていいものではない。
たった一匹しか救えないけれど、愛情をたくさん注いで飼ってあげたい。子供ながらにそう思ったんだ。
そのことを弦さんに伝えると、彼は考え込む。そして少し経つとポケットからスマホを取り出し、なにやら検索し始めた。
どうしたんだろう、弦さん。
様子を窺っていると、彼は私にスマホ画面を見せてくれた。
「ちょうど今日、隣町で譲渡会がやっているようだ。……行ってみるか?」
「いいんですか?」
「もちろん。未来の話を聞いて、捨て犬たちの行く先を初めて知ったよ。それなら俺も保護犬の中から家族に迎え入れたいと思う」
弦さん……。
目を細めて微笑む姿に、目頭が熱くなる。
一度だけ勇気を出して飼いたいと言った時は、テレビで保護犬活動を見たすぐ後だった。
今は保護活動が盛んになり、その数はだいぶ減ってきているようだが、まだ現実に何頭もの犬や猫が処分されている。
動物だって命ある生き物だ。人間の手によって殺されていいものではない。
たった一匹しか救えないけれど、愛情をたくさん注いで飼ってあげたい。子供ながらにそう思ったんだ。
そのことを弦さんに伝えると、彼は考え込む。そして少し経つとポケットからスマホを取り出し、なにやら検索し始めた。
どうしたんだろう、弦さん。
様子を窺っていると、彼は私にスマホ画面を見せてくれた。
「ちょうど今日、隣町で譲渡会がやっているようだ。……行ってみるか?」
「いいんですか?」
「もちろん。未来の話を聞いて、捨て犬たちの行く先を初めて知ったよ。それなら俺も保護犬の中から家族に迎え入れたいと思う」
弦さん……。
目を細めて微笑む姿に、目頭が熱くなる。
一度だけ勇気を出して飼いたいと言った時は、テレビで保護犬活動を見たすぐ後だった。