同期の御曹司様は浮気がお嫌い
「波瑠、これノンアルコールじゃないよ」
「え? ノンアルコール選んだけど……」
冷蔵庫を開けた優磨くんは呆れた声を出した。
「ノンアルとアルコール入りが混じってるよ。間違えて買ったんだね。しかも今波瑠が飲んでるのアルコール度数結構高いじゃん……」
「そっかー」
上機嫌になっている私にはどうでもいいことのように思えた。
「ったく……波瑠、もうそれは飲んじゃだめ」
グラスを取り上げられたから私は怒った。
「いいじゃんー、今日だけは……家なんだからー」
「明日頭痛くなるでしょ? もうだめ」
「ゆーまくんのいじわる……」
私は優磨くんの腰に抱きついた。
「ちょ! 波瑠?」
「それ持って行っちゃだめ……」
優磨くんの手からグラスを奪おうと顔を上げるとキスされた。
「んっ……だめ……」
「だめじゃない……お酒がだめなの」
「っ……」
文句を言えないほど口を優磨くんの唇に塞がれる。
「ゆーまくん……」
「これ以上飲むと記憶がなくなるでしょ。今夜は忘れさせないから」
優磨くんの手はグラスをテーブルに置くと私の腰に回る。体を支えられ立たされると、そのまま体を横にして抱えられた。
「ゆーまくんご飯は?」
「後でもう一度温めればいい」
「でもぉ……」
「酔った波瑠は滅多に見れないからね。今はこっち優先」
寝室に連れていかれ、ベッドに下ろされる。
「ゆーまくん……からだ熱い……」
「俺も」
体が優磨くんに包まれてお酒がさらに体をめぐる気がする。
「愛してる」と何度も囁かれて私は更に乱れていく。
みっともない姿も、弱いところも、優磨くんにだけは見せられる。
与えられる愛と同じだけ。いや、それ以上に私は優磨くんを今後もずっとずっと愛してる。
END