翠玉の監察医 消されるSOS
一 夢
世界法医学研究所の監察医、神楽蘭(かぐららん)は、アメリカ人監察医のアーサー・スチュアートとともに世界法医学研究所に研修に来ている探偵の深森圭介(ふかもりけいすけ)の家に遊びに来ていた。圭介に「遊びに来てください」と誘われたためだ。

「来てくれてありがとうございます。上がってください!」

圭介に微笑まれ、蘭は「ご自宅にお招きいただき、ありがとうございます」と頭を下げる。その隣でアーサーが「蘭は変わらずお堅いなぁ〜」と苦笑した。

蘭とアーサーは圭介の家の中へと入る。モダンな雰囲気の家具がたくさん置かれており、綺麗に片付いている。

「へえ、綺麗にしてんだ。俺さ片付け苦手だから羨ましい」

アーサーがキョロキョロと辺りを見回して言う。圭介が「ありがとうございます。よかったら片付けのコツ、教えますよ」と言いながらコーヒーを用意する。ふわりといい香りが漂った。

「神楽さん、コーヒーでよかったですか?」
< 1 / 33 >

この作品をシェア

pagetop