翠玉の監察医 消されるSOS
空に渡した盗聴器から聞こえてくる音を早速聞きながら、蘭は圭介に訊ねる。圭介は「盗聴は誰も思い付かないと思いますよ。自分が逮捕される可能性があるので」と言った。
「わかっています、犯罪だということは。ですが、確実に証拠を掴むにはこうするしかないのです。そのためならば、私は警察に逮捕されることなど怖くありません。これで空さんが助けられるのなら……」
そう迷いもなく言う蘭を、圭介たちは頬を赤くして見つめていた。今の彼女は普段からよく見る綺麗で頭のいいお人形ではなかった。一人の人間を助けようとする女性だ。
「でも解剖がある間、どうするつもりなんだ?」
アーサーが訊ね、ゼルダも「そうね。蘭がいないと解剖の進行が遅くなっちゃう」と言う。圭介は「はい!」と手を挙げた。
「俺が解剖の最中は聞いておきますよ。もしも、助けの声がしたらすぐに向かいます。一応、中学と高校は剣道部だったんで何もできないわけではないと思いますし……」
「わかっています、犯罪だということは。ですが、確実に証拠を掴むにはこうするしかないのです。そのためならば、私は警察に逮捕されることなど怖くありません。これで空さんが助けられるのなら……」
そう迷いもなく言う蘭を、圭介たちは頬を赤くして見つめていた。今の彼女は普段からよく見る綺麗で頭のいいお人形ではなかった。一人の人間を助けようとする女性だ。
「でも解剖がある間、どうするつもりなんだ?」
アーサーが訊ね、ゼルダも「そうね。蘭がいないと解剖の進行が遅くなっちゃう」と言う。圭介は「はい!」と手を挙げた。
「俺が解剖の最中は聞いておきますよ。もしも、助けの声がしたらすぐに向かいます。一応、中学と高校は剣道部だったんで何もできないわけではないと思いますし……」