檻に閉じ込められたウサギ





いい感じに酔いも回ってきて
次いこっかって話になり

ユウヤくんがお会計してくれた




「ご馳走様」



『おう!次あそこ行こうぜ!』



「いいよ〜!」





手を繋いで次のお店まで歩いていると



グイッ




腕を引っ張られて振り向いた





「あ、朝の人……」



『誰、この男』



ユウヤくんが睨みながら言う



これは面倒だ










「あの、離してください」




『…………そっちの人彼氏?』


朝会った彼はきいてくる



「いえ、彼氏ではないですけど………」






………。




なんだこの空気


カオス感すごくないですか




この人はなに考えてるかわからないし
ユウヤくんは怒った顔でジッと私たちを見てる






『すみません、このこ借りてもいいですか?』



返事もなにも聞かず私を引っ張って歩き出した





後ろから『アズサ!!』と聞こえたけど
振り返るのが誠意一杯だった








無言でどんどん歩いていく


怒っているわけじゃないんだろうけど
なんか喋っちゃいけない気がして声が出ない









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