トラップ教室
「タイムリミットまで、あと10秒」


「わかったってば!」


アナウンスへ向かい叫んだ直後、あたしは思いっきりドアを開けていた。


開いた!


A組もB組も教室前方のドアから入って行ったけれど、C組だけ後方が開くようになっていたようだ。


それならそうと説明してよ!


内心苛立ちながら教室に身を滑り込ませる。


他の3人も慌てて教室に入ってきた。


途端に後方でバンッとドアが閉められた。


ビクリと体を震わせてドアを開けようとしてみるが、もうビクともしない。


それを見てミチルが青ざめて震え始めた。


「これ一体何なの!?」


ミチルが叫び、あたしは左右に首を振った。


梓が殺された時は人の手によるものだと思っていたが、今回のことを踏まえるとどうやらそうとも言い切れないみたいだ。
< 110 / 273 >

この作品をシェア

pagetop