トラップ教室
手をかけてみると、ドアは簡単に開いたのだ。


「ミチル、ドアが開いたよ!」


思わず大きな声で言った。


振り向いて見ると、ミチルはその場に横倒しに倒れ込み、苦しげな呼吸を繰り返している。


あたしは慌ててミチルのいる場所まで取って返した。


「ミチル!?」


ミチルの頭を自分の膝に乗せて確認する。


顔色が悪い。


さっきよりも更に真っ青で、呼吸も荒くなっている。


「ミチル、目を開けて!」


体を軽く揺さぶって言うと、ミチルはどうにか薄く目を開けてくれた。


「ごめん優香……」


「なに謝ってんの! ドアは開いたんだよ!?」


「あたしのことは……いいから……」


ミチルの言葉にあたしは自分の耳を疑った。


今、なんて言った?
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