トラップ教室
「……他のみんなは?」


聞くと、優香は泣きながら左右に首を振った。


ここからでは見えないけれど、ミチルも太一も死んでしまったようだ。


胸がギュッと痛くなるのを感じた。


「優香。早くここから出よう」


あたしは優香の体を支えて起こそうとする。


しかし、優香の力は完全に抜けてしまっているようで、どうにも立ちあがることができなかった。


ここで少し休憩するしかないかもしれない。


あたしは優香を壁にもたれ掛けさせて、自分もその横に座った。


「B組は?」


優香がどうにか声を絞り出す。


あたしはB組の閉ざされたままの教室に視線を向けた。


なんの物音も聞こえてこないから、状況がわからない。


おまけにどこの教室も廊下からでは中を確認できないようになっていた。


どれもこれも、犯人たちが用意周到に準備したとしか思えないことだった。
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