トラップ教室
あたしはビニールの向こう側にある黒板に視線を向けた。


そこにはいくつかの数式が書かれているのだ。


どれも学校で習ったものばかりだ。


「もしかして、これがヒントか?」


秀が一歩前に出て言う。


「そうなのかも」


もしかしたらこっちがフェイクかもしれない。


でも、とにかく答えを導き出す必要がある。


あたしは黒板の文字を見つめた。


「x+9=15」


問題を読み上げる。


誰でもできる簡単な問題だ。


「答えは6だな」


隣りで秀が言った。


あたしは頷く。


その下の問題へ視線を移した。


「x-7=6」


答えは13だ。
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