トラップ教室
しかし、そこで動きが止まった。


どうしたのかと視線を向けてみると、優香が電子パネルをいじっているのだ。


あたしは目を見開いてそれを見つめた。


「なに勝手なことしてるの!?」


慌てて駆け寄り、優香を止める。


優香は目を吊り上げてあたしを睨みつけてきた。


怒りを含んだその表情にひるみ、思わず後ずさりをしてしまう。


「結局は誰かがやらなきゃいけないの」


優香は低い声で言うと、今度は軽くあたしの肩を押した。


あたしは数歩後方へと後ずさりをする。


優香の指先が再び電子パネルに触れる。


それが数字の3を押すのを見た。


最後のひと桁だ。


あたしは呼吸することも忘れて優香を見つめていた。


電子パネルのエンターキーへ指を伸ばす。


優香はギュッと目を閉じて、それを押した……。
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