トラップ教室
「ま、なにかキッカケがあるよそのうちさ」


黙りこんでしまったあたしを見て、梓が感づいたように言った。


キッカケかぁ……あるかなぁ。


首を傾げていると、後ろでキャア! と悲鳴が聞こえてきた。


梓と2人、驚いて振り返る。


見るとミチルが階段の途中でこけてしまい、鞄の中身を散乱させている。


「あ~あ~、なにしてんの」


あたしは呆れながら駆け寄り、教科書やノートを拾い集める。


「ごめんね優香」


「ミチルはおっちょこちょいなんだから」


言いながら拾ったノートをミチルへ差し出す。


それを見ていた梓が階段の上からニヤリと笑った。


「なに?」


あたしはそれを見て首をかしげた。


「それじゃん? 優香の夢って」


梓は今の状況を指さして言った。


「え?」


あたしは瞬きをして周囲を確認する。
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